「俺は終わったな……」
崩れていくWTCを呆然と眺めながら、私はそう思った。
橋、トンネルが封鎖されてオフィスには近づけないし、電話もつながらない。何かしようにも何もできない。WTCが完全に倒壊してしばらく後、私は何をしたか。
爆睡した。寝た。そしてまた寝た。あんなにぐっすりと寝られたのは何年ぶりだろう。この数年間、私は社長業に追いまくられてきた。
つながっていた時間がプッツリ切れた途端、私の電源も落ちたのだ。ソファでうつらうつらしていると、周りで大騒ぎする声や音が聞こえる。これを子守唄に再び眠りに落ちる。その繰り返しだった。
丸1日寝て、眠りから醒めると同時に、私はリストラを決断した。